3匹の猫たちのこと

施術部屋に出入りする猫たちとの出会いの話

猫がいる施術処です。

3匹のノラネコ??と2匹の先住ネコ

玄関先に「3匹のノラ猫」という今では古びて汚れてしまった木の標札(?)があります。
娘が3匹のチビ用の家に”この子達の家がわかるように”と作った標札。
ヨロヨロのヒョロヒョロのチビ達、元気になるように・・死なないように・・みんなでよく眠ってもらうように・・
何かあって逃げても、ここに戻っておいでよ・・と3匹の目印になるように書いたもの。この施術処を開く前から猫と犬のいる我が家ですが、この3匹は開業してからやってきました。
お許しをいただければ施術に同席させていただくこともあります。
出会った当初はか弱く小さな「3匹のノラ猫」でしたが、今は元気になって、私の施術を手伝ってくれる面白ネコ達になっています(笑)

いつもの道に猫がいた!

施術部屋に出入りする3匹の猫たち。この子達を見つけたのは、運転中、家から300〜500m先のカーブした道路の白線の上でした。

普段見ない猫、そしてガリガリにやせていて、車が少し白線をはみ出すと轢かれる所に2匹、フラフラで座っていました。
”こりゃ、いかん”と近くに車を停めたら、すぐに走ってついてきました。

でもヨボヨボ・・・
しかも、どこに隠れていたのか、4匹もいました!!
車の下に入りこみ、でてこない4匹、まとわりつく4匹・・・。
しかたなく歩いて家に戻って、キャットフードを持ってこようとしたら、白線に座っていた2匹がついてきました。
ヒョロヒョロの体で、ちいさな足で、ニャーニャー鳴きながら懸命についてきました・・・。
よろけて道路に出ながら、歩道のない道を歩いて・・・

小さな兄弟たち

車がよけてくれたり、スピードをゆるめてくれたりしてくれたおかげで、途中まで来たところ、”ミャー”

の声が・・・。

溝の中をもう1匹、毛色の美しい、アビシニアンのような兄弟がついてきていたのです。

かしこい!!ちゃんと隠れられる場所からきた。

この仔猫たちはきっとここで生まれたのではなく、遠くから捨てに来られた仔猫だろうことは、やせ細った姿ですぐに分かり、
捨てられてから、兄弟姉妹力を合わせて生きるために身につけたんやろなあ・・・
みんな生きたい!!とついてきたんやなあ・・・と。

このアビシニアン系の仔猫は結局我が家には来れなかったんですが・・・
残された小さくてか弱い黒のチビを守るために、途中から私に”ニャーニャー”と目を見てしっかり鳴き、きびすを返し元の場所へ帰っていきました。
途中で倒れてしまい、動けなくなった1匹を抱いて、どうにか白線の上にいた黒チビ2匹に玄関先でごはんをあげて、残った2匹にもごはんとお水をもっていき、この日は我が家に2匹、元の場所に2匹。
ここはマキノ・・・捕食者が多くいる場所・・・。
実際、ついてきた1匹は目をカラスにつつかれ、まぶたを引っぱられて、まぶたが変形しています。
チビ達が生き延びるには、数がものをいいます。
2匹減ったとすれば、危ないかもしれない・・・。
心配で、夜見に行きました。元気に2匹、ごはんを食べてくれて、寒くないようにこっそり後に回収するつもりの毛布を持っていき、置いてきました。
玄関先でダンボールの中の毛布で寝ている2匹は、元の所に戻る気配がなく、スヤスヤと寝ていました。

うちにおいで

翌日夕方になり、そっと子供達と様子を見に行きました。
そしたら、昨日、私についてこなかった小さい黒猫が必死に叫びながらまとわりついてきました。
昨日、こんなに鳴かなかったのに・・・。アビシニアン猫を探しましたが、どこにおおらず。はねられたかと思い、溝も土手も、探してもいません。
4匹の中で唯一毛色のきれいな仔猫だったので、誰かに拾われたんだと思うようにしたけれど・・・
ここの自然の厳しさを知っているので、光を照らしながら、血がないか、毛が散らばっていないか見回しました。一番小さい黒猫は、多分ここで一晩持たないだろうことは、すぐに分かりました。

うちにはすでに、気難しい長老ネコ(8歳)と姐さんネコ(5歳)がいて、なおかつ、交通事故に遭い下半身が自由にならない犬もいて・・・
みんなが幸せにいれるように出来るだろうか?
色々なことを考えました。
でも、アビシニアン猫の、目を見ての”ニャーニャー”の声と姿を頭から消せず、
その仔猫に心の中で何度も詫びながら、
「この仔も連れて帰るよ。もし無事ならここに戻ってきて・・・毎日見にくるよ・・・」と約束し
一番小さな黒猫も、我が家の猫となりました。

今でも、その場所を通るとアビシニアン猫がいないか探しています。
そして、どこかで元気に過ごしていることを願って、3匹と、そして2匹の先住ネコと、今日も過ごしています。